出産:出産
様々な分娩方法や、出産にまつわる手続きなど、出産計画に役立つ情報はこちらです。
Q.01破水
- Q
- 明け方近く、尿漏れのような感覚で目を覚ましました。少量だったので、水かどうか区別することができません。
- A
- 破水とは、赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて、羊水が外へ流れ出ることを言います。お産が始まる前に起こる破水を前期破水と呼び、流れ出る量はチョロチョロと少量のものから、バシャッと大量に出るものまであります。
破水が起きると、一般的には24時間以内に陣痛が起きるため、妊娠37週を過ぎていれば赤ちゃんは十分に成長しているので、そのまま出産となります。また、予定日が間近になると、赤ちゃんの頭は骨盤内に下がってくるため、これにより膀胱を圧迫し、尿が漏れることがあります。そのため、少量の場合だと尿漏れか破水か悩みますが、尿によるアンモニア臭か生臭いものか確認してください。
どうしても判断できない場合や、破水かなと思ったら入浴を控えることが大切です。そして、生理用ナプキンを当てた状態でかかりつけの医師へ連絡し、指示に従ってください。受診した結果、破水と診断されたら、胎児への感染を予防するためにお産が長引きそうな場合には、子宮口を柔らかくする処置や、陣痛促進剤などを使用する場合もあります。
Q.02おしるし
- Q
- おしるしは必ずあるものでしょうか?
- A
- 産徴は出血、陣痛,破水の三つをいうとされていますが、ここでいう「おしるし」はその中の出血を指す言葉です。
「おしるし」は分娩が近くなると子宮頸管(子宮の出口)が開いてきて、子宮の下部にあった卵膜の一部が開いてきた子宮頸管壁から剥がれることによって,その剥離した子宮頸管壁の部分から少量の出血を見る現象なのです。したがって正期産に入って分娩が近くなり前駆陣痛も頻回になったころにやってくることが多いのですが、個人差があるため必ずしも全員に「おしるし」があるとは限りません。
また、通常は痛みを伴わず、少量の血液が粘液と混ざり合って出てくることが多いようです。日本語の「おしるし」は漢字を用いると「お印」と書きます。これは、印鑑を押したときのようにごく少量の出血が下着につくということに由来しているそうです。多量の出血があったり、痛みを伴う場合は「おしるし」ではない可能性が強いので早めに受診してください。
Q.03浣腸
- Q
- 出産当日に排便があっても、浣腸は必ず行わなければならないのでしょうか?
- A
- 浣腸を行う目的は二つあります。一つは腸を刺激することにより、子宮の収縮を強めてお産を進ませることを目的とする場合です。もう一つの目的は、いきんでいる最中に排便が起こると、便と一緒に赤ちゃんが出てくる可能性があるので、細菌による感染を防ぐためです。
たとえ、出産当日に排便があったとしても、時間が経つにつれ便もたまってくるので、診察でお産がはじまったと診断されたら、看護婦さんか助産婦さんが浣腸を行います。ただし、処置する前にはきちんと説明があるので納得して受けるようにしましょう。
また、お産の進行が早く、浣腸が間に合わなかった場合、いきんでいる最中で排便を起こしても、医療スタッフが迅速に処理するため心配はいりません。
Q.04剃毛
- Q
- 剃毛はどうして行う必要があるのですか?
- A
- 剃毛を行う目的として、一つは母体と胎児の感染予防があげられます。もう一つの目的は、会陰切開や縫合の妨げを防ぐためです。通常、分娩室に入ってから助産婦さんがカミソリを使って剃毛しますが、会陰部周辺のみ剃毛することが多いようです。
帝王切開で出産する場合は、手術前に下腹部を剃毛し、会陰(えいん)部周辺を剃ることはありません。ただし、経膣(けいちつ)分娩を試みた結果、急遽、帝王切開に切り替える事態が起こった場合、両方の処置を受けることもありえます。
Q.05導尿
- Q
- 導尿を行うタイミングについて教えてください。
- A
- 自力で排尿できるうちは、導尿を行う必要はありませんが、陣痛が進むにつれ児頭(じとう)が下降して尿道を圧迫して自力で排尿歩行が困難になると導尿することになります。
導尿する目的は、尿が膀胱に溜まると陣痛が弱くなったり、赤ちゃんの頭が下がらなくなるためです。そのため、尿意を感じたら頻回に排尿をするようにし、自力で排尿が出なくなったり、或いは分娩台に上がる頃になると導尿に切り替えることになります。
また、出産後は膀胱に尿が溜まると子宮の収縮が妨げられ出血が多くなるので、分娩室から入院室へ移動する前に導尿することが多いようです。そのほか、帝王切開で出産した場合は、しばらくの間導尿を続けることになるでしょう。
Q.06会陰切開
- Q
- 会陰切開をすることに抵抗があるのですが、何とか切開せずに出産することは可能でしょうか?
- A
- 会陰切開とは、出産による会陰部の自然裂傷を防ぐと同時に、赤ちゃんをスムーズに取り出すために会陰部を切る処置を言います。妊娠するとホルモンの働きにより、会陰部は柔らかく伸びが良くなるものですが、誕生する瞬間、会陰部が伸びきれずこのままでは裂けると判断した場合に行われます。
そのため、すべての人に適用されるわけではありませんが、なるべく会陰切開を行いたくないというのであれば、出産前に自分の気持ちを病院側に伝えておくとよいでしょう。医師の裁量には幅があるので、可能な範囲で希望に添うよう努力してくれると思います。
分娩時に赤ちゃんが苦しがって早く出す必要があるときや、切らないと複雑な裂傷がおきそうな場合は仕方ありません。複雑な裂傷がおきると、産後も傷の治りが遅くなったり、痛みがなかなか取れなかったりします。希望として伝えた後は医師に一任するのがよいでしょう。
Q.07帝王切開
- Q
- 帝王切開で出産すると、麻酔により産声を聞くことができないので、とても残念です。
- A
- 帝王切開には、あらかじめ計画的に決められている場合と、緊急で行われる場合とがあります。計画的に行われる帝王切開の場合は、重度の妊娠中毒症や逆子(さかご)、前置胎盤、母体の骨盤が狭く胎児が産道を通ることが不可能な狭骨盤(きょうこつばん)などの場合です。
また、多胎妊娠の場合は、帝王切開での出産が考えられます。予定帝王切開は、あらかじめ出産する日を決めているため、陣痛を経験しないことが多くあります。緊急の場合は、胎児の仮死状態や破水から長時間経過しても分娩にいたらない場合であり、陣痛を経験することが多くあります。帝王切開による麻酔は、全身麻酔の他に、下半身のみ麻酔がかかる腰椎麻酔(ようついますい)か硬膜外麻酔(こうまくがいますい)でも可能なので「産声をぜひとも聞かせてほしいので、それが可能な麻酔にしてほしい。」と希望をはっきり伝えることです。産声を聞くことは十分可能です。
なお、帝王切開は経膣分娩(けいちつぶんべん)が不可能と判断された場合に施される分娩スタイルで、母胎を守る最終的な手段となります。帝王切開も分娩スタイルの一つなので、自信を持ってこれからの育児に励みましょう。
Q.08後陣痛
- Q
- 二人目以降だと後陣痛がひどいと聞きましたが、一人目ならそれほど痛みを感じないものでしょうか?
- A
- そういうわけではありません。出産後、子宮の収縮が不規則に起こる症状を後陣痛、または後腹と言います。お産の経過が早かった人や、経産婦は痛みが強く感じられるようですが個人差があります。初産婦の場合、授乳ごとに痛みを感じる人もいます。いずれも一日か二日程度で治まるものですが、痛みがひどい場合は医師に申し出て診察を受けてください。
Q.09分娩時のコンタクトレンズ
- Q
- 普段はコンタクトレンズを使用しているのですが、出産するときはコンタクトレンズをはずさないといけないのでしょうか?
- A
- 基本的にコンタクトレンズははずしておいた方が良いでしょう。陣痛の辛さで顔を覆ったり動いたりした場合、コンタクトレンズを使用しているとはずれる恐れがあります。場合によっては、紛失してしまうケースも考えられるため、入院したら眼鏡に変えておくと良いでしょう。
Q.10分娩時の髪型
- Q
- ロングヘアなのですが、出産時に髪が長いと邪魔になるでしょうか?
- A
- できれば美容院でさっぱりとした髪型にすることをおすすめします。もし、長い髪型のまま出産に臨むのであれば、分娩時も含めて入院中は後ろでくくるようにして、スッキリとさせましょう。出産後も、赤ちゃんの世話をするときは前に垂れてこないよう、きっちりとまとめたヘアで接するようにしてください。